京都市京セラ美術館開館1周年記念展
森村泰昌:ワタシの迷宮劇場
2022年3月12日-2022年6月5日
会場[ 新館 東山キューブ ]
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現代美術におけるセルフポートレートの先駆者の一人が 秘蔵インスタント写真800枚以上を含む作品から35年超のキャリアを総括する大規模個展
京都市京セラ美術館の開館1周年記念展のひとつとして、日本を代表する現代美術家の一人、森村泰昌(1951年大阪生まれ)の個展を開催します。
1970年代に京都市立芸術大学で学んだ森村は、美術史における名画の登場人物や歴史上の人物、女優に扮するセルフポートレートを制作することで、ジェンダーや人種を含んだ個人のアイデンティティの多重性を視覚化し、個人史と歴史の交錯点を表現してきました。近年では、ジャパン・ソサエティ(2018年)、プーシキン美術館(2017年)、国立国際美術館(2016年)、アンディ・ウォーホル美術館(2013年)、アーティゾン美術館(2021年)での個展開催のほか、「横浜トリエンナーレ2014」でアーティスティックディレクターを務めるなど、国内外で活躍を続けています。
出品作品は、これまでほとんど発表されることのなかった、1985年から撮りためている秘蔵のインスタント写真約800枚に加え、1994年に森村が自作の小説を自ら朗読したCD《顔》の音源をもとに、展示室に特設の音響空間をしつらえ、無人朗読劇として再制作します。本展は、森村の京都における1998年以来の大規模な個展であり、35年余り継続されてきた私的世界の全貌を公開する初の試みとなります。
何者かになり変わることで自己を解体し、一個人における複数の顔を露呈する森村の表現は、スマートフォンの進化やSNSの普及によって身近になった「自撮り」と共通しながらも、決定的に異なる面を持っています。そこには、自己への透徹した眼差しと、一人の人間が複数の存在として生きていくことへの圧倒的な肯定を見ることができます。コロナ禍において、あらためて自身の制作の原点に立ち返ることでこれからを模索する、森村の現在を提示する展覧会となるでしょう。基本情報
- 会期
- 2022年3月12日(土)~6月5日(日)
- 時間
- 10:00~18:00(最終入場は17:30まで)
- 会場
- 新館 東山キューブ
- 休館日
- 月曜日
ただし、3月21日(月・祝)および、5月2日(月)は開館
- 観覧料
- 一般 2,000(1,800)円
大学・専門学校生 1,600(1,400)円
高校生 1,200(1,000)円
小中学生 800(600)円
未就学児無料
※( )内は前売・20名以上の団体料金。
※当館公式オンラインチケットサイトe-tix からの購入で各当日料金から100円引き。
※京都市内に在住・通学の小中学生は無料。
※障害者手帳等をご提示の方は本人及び介護者1名無料。確認できるものをご持参ください。
●ペア割
一般チケット2枚で3,700円
お友達やご家族と使ったり、後日使ったり、いろんな使い方が可能です。
※美術館チケットカウンターのみの販売です。
●同日観覧 相互割引
「2022春期コレクションルーム」の有料観覧券をお持ちの方は、本展の観覧料が100円引きになります。
また、本展の有料観覧券をお持ちの方は、「2022春期コレクションルーム」の観覧料が100円引きになります。
(いずれも当日分に限ります)
●e-フレンド割
各観覧料(ペア割チケットを除く)から200円割引
当館メンバーシップの無料メルマガ会員「e-フレンド」の方はお得です。
ぜひこの機会に、無料のメルマガ会員「e-フレンド」にご入会ください。メンバーシップ会員ページログイン画面、または配信済みメルマガをチケットカウンターにご提示いただければ、割引料金を適用します。(ご入会はウェブサイトからのみとなります。)
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●KYOTOGRAPHIE 相互割引
4/9から京都市内各所で開催する京都国際写真芸術祭KYOTOGRAPHIE と合わせて鑑賞いただくことでお得な割引です。
⇆本展チケット購入時に、
KYOTOGRAPHIE チケット提示で団体料金適用
⇆KYOTOGRAPHIEパスポート購入時に、
本展チケット提示でパスポート5000円が500円引きの4500円に
*前売券は下記の当館公式オンラインチケットサイトe-tix ほか、各プレイガイドにて販売中
森村泰昌から本展に寄せて
「ワタシ × 迷宮 × 劇場=?」こうありたいと私が思うワタシ。私ってこういうひとなんだと決めつけているワタシ。私自身ですら思いもよらなかった未知のワタシ。私のなかにはたくさんのワタシがいて、まるでそれは迷宮のように入り組み、あるいは様々なワタシが登場する舞台のようでもあって、ともかく一筋縄にはいきません。
世界を解釈するのも、歴史を紐解くのも結局はこのワタシなのだとしたら、まずはワタシというこの複雑怪奇なスタートラインに今一度立ち戻り、最初からやり直してみたい。
本展は、コロナの時代の閉塞した環境だからこそ見えてきた、なにが大切なのかという問いがテーマです。私にとって、そしてあなたにとって大切な宝物は何? 展覧会を通して捜しあてられたらいいなと思っています。森村泰昌 Morimura Yasumasa
1951年、大阪市生まれ。1985年、ゴッホに扮したセルフポートレート写真でデビューして以降、国内外で作品を発表。2014年、ヨコハマトリエンナーレのアーティスティックディレクターを務める。近年の個展に、「森村泰昌:自画像の美術史――『私』と『わたし』が出会うとき」(国立国際美術館、2016年)、「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020――さまよえるニッポンの私」(原美術館、2020年)、「ほんきであそぶとせかいはかわる」(富山県美術館、2020年)、「M 式『海の幸』――森村泰昌 ワタシガタリの神話」(アーティゾン美術館、2021年)等。2018年、大阪・北加賀屋に「モリムラ@ミュージアム」を開館。著書に、『自画像のゆくえ』(光文社新書)ほか多数。
- 主催:森村泰昌展実行委員会(京都市、毎日新聞社、京都新聞)
- 協賛:ARTS ISOZAKI、千島土地株式会社
- 協力:株式会社川島織物セルコン、富士フイルム株式会社、 カラーキネティクス・ジャパン株式会社、有限会社一風堂、 THEATRE E9 KYOTO、株式会社松栄堂
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現代美術におけるセルフポートレートの先駆者の一人が
秘蔵インスタント写真800枚以上を含む作品から35年超のキャリアを総括する大規模個展1. 十人十色のワタシに変化する! 現代美術とセルフィー
名画やファッション雑誌の登場人物、あるいは自由にカメラの前で何者かを演じ、さまざまな人格に変身して撮影された森村のポートレート作品。そこでは、ときに性別や国籍、年齢すらも曖昧となり、誰しもが持ちうる人間の流動的な多面性やさまざまな欲望が形になっています。セルフィーやSNSが生活の一部となった今、それは多様な生のあり方を認め合おうとする私たち現代人の姿をもあらわしているようです。
2. 秘蔵のインスタント写真を初公開
1985年から撮りためている秘蔵のインスタント写真を、約800枚というボリュームで展示します。森村にとってインスタント写真は、アトリエなどの私的空間で行われる儀式の痕跡のようなものです。これまで撮影されてきたこの私的世界を総覧することで、森村作品をなす 35年余りにわたるバックグラウンドの全貌を浮かび上がらせます。
3. 特設の音響空間で上演される 声の劇場《影の顔の声》
1994年に森村が自作の小説を自ら朗読して制作したCD《顔》。今回これを発展させる形で、架空の京都の寺院を舞台に展開される幻想的な世界を、展示室に特設の音響空間をしつらえ、無人朗読劇として再制作します。近年、精力的に舞台に取り組んでいる森村が、28年の時を経て、セルフポートレートとしての「声」の空間を立ち上げます。
4. 建築家 西澤徹夫+森村泰昌のコラボレーションによる会場構成
青木淳とともに京都市京セラ美術館の大規模リニューアルプロジェクトを手がけた西澤は、現代美術展の会場構成も数多く手がけています。当館の建築空間を知り尽くした西澤と森村とのコラボレーションは、新館東山キューブを「迷宮劇場」へと変貌させます。
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声の劇場《影の顔の声》整理券配布のご案内
本作品は各回入替制(途中入場不可)となっております。
観覧ご希望の方は入場後、整理券受付にて整理券をお受け取りいただき、所定の集合場所へお集まりください。
※集合時間から観覧終了までの所要時間は約40分です。
※整理券はお一人様1枚でお願いします。
※最終受付時間は17:05です
<ご注意>
・上演中、暗くなる場面や一部性的な表現を含む場面がございます。お子様をお連れの方は、保護者様のご判断にて鑑賞いただきますよう、お願いいたします。
・途中退場の際は、他のお客様の鑑賞の妨げとなりませんよう、ご配慮ください。
・声の劇場内では携帯電話やカメラ等の使用をご遠慮ください。
・集合時間を過ぎますと、いかなる理由でも途中入場ができませんので、あらかじめご了承ください。
<集合時間>
10:05〜10:10
10:40〜10:45
11:15〜11:20
11:50〜11:55
12:25〜12:30
13:00〜13:05
13:35〜13:40
14:10〜14:15
14:45〜14:50
15:20〜15:25
15:55〜16:00
16:30〜16:35
17:05〜17:10 -
【動画公開中】森村泰昌が本展の見どころについて語る
本展の出展作家である森村泰昌が本展の見どころについて語った動画を公開中です。
動画はこちら(当館公式YouTubeチャンネル)関連書籍『森村泰昌:ワタシの迷宮劇場』
本展にあわせ、秘蔵のインスタント写真約800枚を収録した関連書籍が発売となります。通常版とは別に、インスタント作品がついたコレクターズアイテムの特装版も展覧会会場内特設ショップで先行発売。
発売日:2022年4月8日
発行元:torch press
デザイン:森大志郎、小池俊起
仕様:307 x 227 mm/272ページ/布ばり上製本
言語:日本語・英語
ISBN978-4-907562-36-6 C0072
会期中の会場特別定価:4,620円(税込)
一般価格:6,050円(税込)
特装版(限定10セット):330,000円(税込)関連プログラム「黄昏どきの『声』の劇 - 森村泰昌(声)X中川裕貴(チェロ)」
伊藤博文が命名し、世界各国の賓客が多数訪れた円山公園南側に位置する築110年の歴史的建築物「長楽館」。
鹿鳴館と比された瀟洒な内装や調度品に囲まれたメインホール「迎賓の間」で行われる現代美術家・森村泰昌と現代音楽家・中川裕貴による朗読と演奏の実演。
出演:森村泰昌(朗読)、中川裕貴(音楽)
脚本:森村泰昌 演出:あごうさとし
日時:5月21日(土)①16:30~18:10、②18:45-20:25 (後半に30分のパフォーマンス含む)
会場:長楽館 迎賓の間(京都市東山区八坂鳥居前東入円山町)
料金:税込10,000円(長楽館でのアフタヌーンティーセット4,500円含む)
詳細・お申込みはこちらをご覧ください。京都国立近代美術館での森村作品展示
現在開催中の「森村泰昌:ワタシの迷宮劇場」展にあわせて、京都国立近代美術館2022年度第1回コレクション展の一室にて、森村泰昌に関連する展示が行われます(2022年5月15日まで)。
同館が所蔵する森村作品12点と、アイデンティティと変身をめぐって森村との共通点を見いだせるドミニク・ゴンザレス=フォルステルの関係に着目した関連作品が展示されます。
「森村泰昌:ワタシの迷宮劇場」展で展示中の秘蔵のインスタント写真の中には、京都国立近代美術館コレクションの森村作品に関連するものもありますので、ぜひ2つの展覧会をあわせてご覧ください。
詳細は京都国立近代美術館ウェブサイトをご覧ください。