京都市京セラ美術館開館1周年記念展
コレクションとの対話:6つの部屋
2021年10月9日-2021年12月5日
会場[ 本館 北回廊1階 ]
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当館は1933年に「大礼記念京都美術館」として開館しました。地道な収集を重ねてきた所蔵品は現在約3,800点を数え、特に近代日本画コレクションとしては国内有数の内容を誇り、洋画・工芸・版画についても名品が多く含まれます。
今回、開館1周年記念展のひとつとして、ジャンルや時代を超えたスペシャリストが異なるアプローチでコレクションと“対話”し、作品にまつわる秘められた歴史や物語を引き出す展覧会「コレクションとの対話:6つの部屋」を開催します。
6つの部屋では、現代美術家や建築家、かつて当館に在籍し草創期・転換期を支えた学芸職員、日本でのキュビスムの波及に影響を与えた画家といった面々がコレクションと“対話”し、当館の歴史や所蔵品からインスパイアされた新作の制作や、下絵を用いた展示空間の構成、また、時間を可視化する場の創出など、実験的な試みを展開します。コレクションの新たな魅力をぜひご覧ください。
対話者
竹内勝太郎(学芸職員・詩人)
加藤一雄(学芸職員・文筆家)
アンドレ・ロート(画家)
青木淳(建築家・当館館長)
宮永愛子(現代美術家)
ひろいのぶこ(繊維造形作家)
髙橋耕平(現代美術家)基本情報
- 会期
- 2021年10月9日 (土) ~12月5日 (日)
- 時間
- 10:00〜18:00
※入場は閉館の30分前まで - 会場
- 本館 北回廊1階
- 休館日
- 月曜日(祝日の場合は開館)
- 観覧料
- 一般:1,000(800)円
大学・高校生:500(400)円
中学生以下:無料
*全て税込
*( )内は前売・20名以上の団体料金。
*京都市内に在住・通学の高校生・高等専門学校生は無料。障害者手帳等をご提示の方は本人及び介護者1名無料。確認できるものをご持参ください。
●美術館公式オンラインチケット
下の【チケットの購入】ボタンからご購入いただけます。
※展覧会観覧の予約は不要です。
●プレイガイド
以下のプレイガイドでもチケットをご購入いただけます。
・チケットぴあ(セブンイレブン、ファミリーマート)
0570-02-9999 【Pコード:685-780】
https://w.pia.jp/t/
・ローソンチケット(ローソン、ミニストップ)【Lコード:54293】
https://l-tike.com/
・CNプレイガイド(セブンイレブン、ファミリーマート)
0570-08-9999
https://www.cnplayguide.com/
・イープラス(ファミリーマート)
https://eplus.jp/
・楽天チケット(セブンイレブン、ファミリーマート)
http://r-t.jp/
・セブンチケット(セブンイレブン)
http://7ticket.jp/
●セット券
・チケットカウンターで3展覧会(モダン建築の京都展、コレクションとの対話展、コレクションルーム秋期)のお得なセット券を販売しています。ぜひお買い求めください。
セット券:大人3,000円、学生2,000円
(高校生以下の設定はありません。購入日の当日限り有効)
●相互割引
・「コレクションルーム 秋期」の有料観覧券(当日分に限る)のご提示で本展の当日券を
100円引きでご購入いただけます。
※他の割引との併用不可
●11/5(金)スタート!新割引
・e-フレンド割:各観覧料(セット券を除く)から100円割引(美術館チケットカウンターのみの販売です。)
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ぜひこの機会に、当館ウェブサイト「京都市京セラ美術館メンバーシップのページhttps://kyotocity-kyocera.museum/supportから無料のメルマガ会員「e-フレンド」にご入会ください。メンバーシップ会員ページログイン画面、または配信済みメルマガをチケットカウンターにご提示いただければ、割引料金を適用します。(ご入会は、インターネットからのみとなります。)
※他の割引との併用不可
- 主催:京都市、読売テレビ
- 令和3年度 文化資源活用推進事業
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● 幅広いスペシャリストの眼がコレクションに新たな光をあてる
本展では、詩人や文筆家として活動しながら当館の活動を支えた学芸職員、当館を改築し現在は館長も務める建築家、羊毛や絹などの異素材から作品をつくる繊維造形作家、版画制作を原点に映像作品を発表してきたアーティスト、ナフタリンや塩を用いて時間を可視化する現代美術家など、多様なひろがりを持つスペシャリストが実験的な展示空間を創造し、コレクションに新たな光を投げかけます。
● 建築家として、館長として。青木淳による会場構成
青木淳は、コレクションと対話する作家のひとりとして、また会場構成デザイナーとして本展に参加します。自ら改築を手がけたのちに館長を務める当館で、どのようにコレクションやその展示空間と対峙するのか、見どころのひとつです。
● コレクションの隠された魅力! 初公開を含む貴重な資料群
当館では、完成された作品ではない資料類も多く収蔵しています。例えば、糸などの素材や壁画の一部、日本画や織物の下絵などがありますが、それらは作品制作のプロセスや着想源を知るうえでは非常に重要なものです。初公開となる資料も多く、見逃せないポイントです。
対話者プロフィール/本展での試み
1.竹内勝太郎、加藤一雄
〈ことば×日本画〉大礼記念京都美術館の構想時から京都市の学芸職員として開館準備に携わった竹内勝太郎(1894–1935)は、詩人、評論家としても活躍し、榊原紫峰ら多くの作家との人脈を持ち、開館時のコレクション形成に寄与しました。戦後、米軍接収が解除され、京都市美術館としての再開館に立ち会った加藤一雄(1905–1980)は、美術史家、評論家として魅力あふれる文章を数多く残しています。作家との密接な関係から生まれた彼らのテキストが、所蔵作品に新たな視点を投げかけます。
2.アンドレ・ロート
〈西洋×日本の洋画〉アンドレ・ロート(André Lhote, 1885–1962)はフランスで活躍したキュビストのひとりです。京都の洋画史に多大な足跡を残し、当館の洋画コレクションにおいても重要な位置を占める黒田重太郎(1887–1970)は、1920年代初頭にロートに師事し、様式化されたキュビスム絵画を描きました。手紙をはじめとする資料の紹介と両者の作品の展示を通して、同時代の美術としての西洋と日本の洋画について考察を促します。
3.青木淳
〈建築×日本画下絵〉建築家で当館館長の青木淳(1956–)は、これまで多くの展覧会に参加し、作家として作品を発表する他、建築家として空間構成を手がけてきました。本展においては、所蔵品にある日本画の下絵を用いて展示空間を構成します。日本画における素描や下絵には、完成作に至るまでの発想や探求、揺り戻しや再構築といった経緯が凝集されており、青木はそこに建築図面との類似性を見出しました。展示空間を問い直し、日本画というジャンルに新たな視点をもたらす試みです。
4.宮永愛子
〈時間×工芸〉日用品をナフタリンでかたどったオブジェや、陶器の貫入音や塩、葉脈を用いたインスタレーションなど、気配の痕跡を集めて時を視覚化する宮永愛子(1974– )は、歴史ある京都の陶芸家の家系という自身の出自を辿り、過去の時間の新たな捉え方を提示します。宮永東山をはじめとした1900–30年代の京都の工芸に触れ、幼少期から馴染みのある京都市美術館の建築空間や建築部材にも着目し、過去、現在、そして未来の時間を出合わせる場を創出します。
5.ひろいのぶこ
〈テキスタイル×染織〉羊毛や絹などを中心に、紙や金属、貝釦など異素材を組み合わせ、織る・組む・縫うなどの技法によって作品を制作してきたひろいのぶこ(1951–)は、世界各地の染織技法や織物の調査を行うリサーチャーでもあります。
本展では染織家山鹿清華(1885–1981)が残した糸や古裂の調査をもとに、そのユニークな作品制作について紹介します。また、山鹿清華が所蔵していたシュニール糸を用いて織作品を制作。糸が結ぶ二人の染織作家の交流によって、唯一無二の展示空間が立ち上がります。6.髙橋耕平
〈映像×版画〉普段見過ごされがちな領域に着目し、特定の場・他者・史実との対話を試み、それらに潜む歴史や物語を視覚化した映像作品を展開する髙橋耕平(1977– )は、本展では自身の制作の出発点でもある現代版画に焦点を当てます。過去に自身が発表した「京都市美術館のコレクションのリストを音読する作品」をアップデートし、新たにコレクションの文字情報に着目した映像も制作。音やイメージが連なり重なる様相を通して、版画の構造や概念、コレクションの在り方について追求します。
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ラーニング・プログラム
出展作家によるトークや当館学芸員によるギャラリートークを予定しています。
●関連講演会
対話シリーズ(1)
青木淳×中谷至宏(当館学芸員)「素描を見つめて」 2021年10月9日(土)
対話シリーズ(2)
ひろいのぶこ×中山摩衣子(当館学芸員)「山鹿清華旧蔵資料の調査について」 2021年10月23日(土)
対話シリーズ(3)
髙橋耕平×長尾衣里子(当館学芸員)「眠れるコレクションについて」 2021年10月24日(日)
対話シリーズ(4)
宮永愛子×長尾衣里子(当館学芸員)「つながりを読む」 2021年11月3日(水・祝)●ギャラリートーク
展示室で担当学芸員がツアー形式の解説を行います。
開催日:2021年10月16日(土)、11月13日(土)、11月14日(日)、11月20日(土)、11月21日(日)、11月27日(土)
各日14:00-15:00(13:30受付開始)
参加費:無料
※参加には「コレクションとの対話:6つの部屋」展の観覧券(未使用)が必要です。【動画公開中】開幕記念座談会および対話シリーズ
●開幕記念座談会「コレクションとの共演、競演、饗宴」
登壇者:青木淳、ひろいのぶこ、宮永愛子、髙橋耕平
モデレーター:中谷至宏(当館学芸員)
動画はこちら(公式YouTubeチャンネル)
●出展作家をゲストに招き、当館学芸員を聞き手とした「対話」シリーズの記録も公式YouTubeチャンネルにて順次公開しています。
対話シリーズ① 青木淳×中谷至宏「素描を見つめて」
対話シリーズ② ひろいのぶこ×中山摩衣子「山鹿清華旧蔵資料の調査について」