西村五雲《海驢》

海驢 1934年頃

西村五雲 (1877-1938)

作品解説

じゃれ合う二頭と横で寝そべるもう一頭のアシカ。餌のアジが放たれた直後であろうか。戯れながらもこちら向きの一頭はすでに餌に視線を向けている。黒ともこげ茶とも言い難い微妙なアシカの体に、闊達な描線とたらし込みの妙味が冴える。

1934年頃(昭和9年頃)
絹本着色 額
137.4 × 197.0 cm

西村五雲 Nishimura Goun

京都市に生まれる。本名源次郎。13歳の時、岸竹堂の門に入り、1893(明治26)年日本美術協会展で褒状を受ける。師の没後は竹内栖鳳に師事し、第1回文展で3等賞を受賞。大正初期に健康を害して、しばらく大作の制作を断念するが、数年後帝展に復帰し委員や審査員をつとめる。また京都市立絵画専門学校の教授となるとともに、画塾晨鳥社を主宰し、山口華楊など多くの後進を育て、動物画の系譜を築いた。

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