玉城末一《宇吉》

宇吉 1926年

玉城末一 (1897-1943)

作品解説

椅子に座り煙草を燻らす商家の番頭。反対の袖に手を差し入れる控えめな姿勢ながら、挑むような眼差しを向け、どこか不安定な心持ちを印象付ける。省略された線と大胆な色彩構成、朱の着物の細かな線と緑の前掛けの肌理の対比など、造形の創意が青年の複雑な心理を際立たせている。

1926年(大正15年)
絹本着色 額
136.0 × 63.0 cm

玉城末一 Tamaki Suekazu

堺市に生まれる。京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校に学ぶ。第4回帝展に初入選。国画創作協会展に第1回春季展より参加。第5回国画創作協会展で国画奨学金を受け、のち会友となる。同会解散後は同志と「新樹社」を結成。同会解消後は大礼記念京都美術館展、帝展に出品。装飾的表現の内にモデルの個性を際立たせる独自の人物像を描いた。

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