中村大三郎《ピアノ》

ピアノ 1926年

中村大三郎 (1898-1947)

作品解説

画面を大きく占める黒光りしたピアノと、赤い振袖姿の令嬢という大胆な構図。しなやかな手つきで演奏する令嬢は、作者の妻がモデルで、胸高に締めた華やかな帯、ウェーブを効かした洋髪など、流行の装いが際立つ。フロアスタンドや楽譜など、細部まで緻密に描かれる。

1926年(大正15年)
絹本着色 屏風 四曲一隻
164.5 × 302.0 cm

中村大三郎 Nakamura Daizaburo

京都市に生まれる。京都市立絵画専門学校を卒業。在学中、第12回文展に初入選。第2回、第4回の帝展で特選となる。西山翠嶂に師事し青甲社に入る。1933(昭和8)年、自身の画塾を創立。帝展審査員や京都市立絵画専門学校教授を務める。初期は時代風俗を取材した作品を描いていたが、次第に現代女性や、能楽を主題とする作品を描くようになる。

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