染額雙馬図 1935年
小合友之助 (1898-1966)
作品解説
いななく二頭の馬を中心に、背後には苔むした老樹に霞がかかり、滝が流れ落ちている。多様なモチーフを大胆に図案化し、縦長の構図にろうけつ染めで巧みに表している。更紗や民画を思わせる素朴で躍動感のある造形と濃厚な色調が独特の個性を生み出している。
1935年(昭和10年)
蝋纈 紬地 額
162.0 × 72.0 cm
小合友之助 Ogo Tomonosuke
京都市に生まれる。京都市立美術工芸学校図案科卒業後、都路華香に日本画を学び、さらに独学で洋画を学ぶ。その後染色工芸家を志し、第13回帝展に初入選。以後官展・日展に出品。戦後は、新匠美術工芸会(しんしょうびじゅつこうげいかい)の結成に参加するが、間もなく退会。京都市立美術大学教授となる。ろうけつ染めを手がけ、初期は更紗風の色調に力強い造形を特色とし、戦後は自然現象を題材に、太い輪郭線と大胆に抽象化された形態に独特の詩情あふれる作風を確立した。