当館についてAbout

2020年春、京都の文化・芸術の歴史に、新たな1ページが加わる

当館は1933年(昭和8年)の開館以来、長きにわたり市民の皆さまに愛され、その建物は公立美術館として日本で現存する最も古い建築です。この伝統ある美術館が50年後、100年後にも継承され、さらに発展することを願い、創建当時の和洋が融合した本館の意匠を最大限保存しながら、現代的なデザインを加え、このたび新たな美術館として生まれ変わりました。

今後は、現代アートに対応した新館「東山キューブ」や、高機能化された本館の陳列室において京都画壇の名品を中心に紹介する「コレクションルーム」、新進作家を支援する「ザ・トライアングル」などから、伝統と革新が交わり進化する「京都」を体現するような、様々な時代・ジャンルの芸術を発信していきます。また、「学び合い」をキーワードにしたラーニング・プログラムや、憩いの場やイベント空間となる「京セラスクエア」や屋上テラスなどのパブリックスペース、カフェやショップなどを新たに設け、現代のニーズに合った、より開かれた美術館となりました。

「文化首都・京都」の拠点施設として、市民の皆さまをはじめ京都を訪れる国内外の人々を魅了する美術館になるよう、今後も活動を加速させていきます。京都市京セラ美術館にどうぞご期待ください。


沿革

オープンからの歩み

1933年(昭和8年)

1928年(昭和3年)に京都で挙行された即位の大礼を記念し、「大礼記念京都美術館」として開館。関西の財界や美術界、市民の寄付により、鉄骨鉄筋コンクリート2階建ての帝冠様式建築の本館が建設された。設計は、「建築様式ハ四囲ノ環境ニ応ジ日本趣味ヲ基調トスルコト」などの要件の公募によって選ばれた建築家、前田健二郎。こけら落としの展覧会は「第14回帝展京都陳列会」。

1933

1934年(昭和9年)

開館記念「大礼記念京都美術館美術展」開催。開館を祝し大礼奉祝会から多くの作品が寄贈。

1935年(昭和10年)

全国に先駆けて、市主催の総合公募展として「京都市美術展覧会」(第1回市展)開催。

1935

1938年の「土田麦僊遺作展覧会」

1944年(昭和19年)

第二次世界大戦中も美術館活動を継続。本土空襲を受け、作品の一部を嵯峨・大覚寺などに疎開。

1945年(昭和20年)

「第9回在住作家作品常設展」中に終戦。戦後すぐ「第1回京都市主催美術展」(第1回京展)開催。

1946年(昭和21年)

戦後には駐留軍が本館を含めた敷地全体を接収。大陳列室はバスケットボールのコートに。

1946

1952年(昭和27年)

6年におよぶ接収解除。「京都市美術館」と改称し新たに活動再開。
京都画壇10作家の代表作による「開館記念京都名作展」開催。

1955年(昭和30年)

海外展の先駆けとして「ルーヴル国立美術館所蔵フランス美術展」巡回。

1957年(昭和32年)

京都の若い美術家による「京都アンデパンダン展」が京都市主催に。(1991年まで毎年開催)

1963年(昭和38年)

「国画創作協会回顧展」開催。

1964年(昭和39年)

「ミロのヴィーナス特別公開」で89万人余りが来場。開館以来の入場者数記録を樹立。

1964

1965年(昭和40年)

「ツタンカーメン展」で107万人余りが来場。入場者数記録を更新。

1967年(昭和42年)

特別展「京都の美術工芸100年展」開催。

1971年(昭和46年)

収蔵棟を新設。竣工記念特別展「京都日本画の精華」開催。

1972年(昭和47年)

「第1回京都ビエンナーレ」開催。1973年、1976年と第3回まで開催。

1987年(昭和62年)

「近代の潮流 京都の日本画と工芸」開催。

1987

1988年の「特別展 1930年代の京都——日本画、洋画、工芸」会場風景

1989年(平成元年)

「京都の美術 昨日・きょう・明日展」シリーズがスタート。(2008年まで全28回)

1991年(平成3年)

特別展「発動する現代の工芸」開催。

2000年(平成12年)

京都市美術館別館開館。

2003年(平成15年)

開館70周年。記念特別展「うるわしの京都 いとしの美術館」開催。

2006年(平成18年)

特別展「浅井忠と関西美術院展」開催。

2013年(平成25年)

開館80周年。記念特別展「市展・京展物語」「下絵を読み解く ~竹内栖鳳の下絵と素描~」開催。

2015年(平成27年)

「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」開催。(当館をはじめ、京都文化博物館など京都市内計8箇所が会場に)

2015

蔡國強《京都ダ・ヴィンチ》2015「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」京都市美術館会場での展示風景 写真:河田憲政

再整備の流れ

2014年(平成26年)

開館80周年を機に「京都市美術館将来構想」を策定。

2015年(平成27年)

再整備の方向性を示す「京都市美術館再整備基本計画」策定。 公募型プロポーザルで、19の応募者から青木淳・西澤徹夫設計共同体が1位で基本設計作成者に選出。

2017年(平成29年)

通称を「京都市京セラ美術館」とする50年間のネーミングライツ契約を京セラ(株)と締結。同年、改修・増築工事のため一時閉館。

2018年(平成30年)

1月に工事着工。

2019年(令和元年)

10月末に竣工。

2020年(令和2年)

5月26日リニューアルオープン。


施設名の由来

今回の再整備事業を通じて、歴史的な本館は保存・継承しつつ、現代アートに対応した新館「東山キューブ」や新進作家の支援のためのスペースの新設、カフェやミュージアムショップなどのアメニティ施設の充実も図り、機能が飛躍的に向上した美術館として生まれ変わりました。多くの方々に長年待望されていた京都市美術館の再整備事業を市民負担を抑えつつ着実に推進するため、京都市ではネーミングライツ制度の導入を決定。趣旨に賛同いただいた京セラ株式会社から約50億円の支援を得て、通称を「京都市京セラ美術館」とする50年間のネーミングライツ契約を締結しました。

京都市京セラ美術館

ロゴデザインのコンセプト

・関西を拠点に国際的に活動するグラフィックデザイナー、杉崎真之助氏によるデザイン。
・和文と欧文の一体感を意識したモダンなタイポグラフィで、国際文化都市・京都を表現。
・個性を主張しすぎないシンプルさで美術館の品格を伝えるとともに、文字の一部に輝きを表すスリットを加えて印象付けている。

京セラ株式会社

京セラ株式会社は、創業以来、「企業は社会の一員である」との認識に立ち、さまざまな活動を通じて、世のため人のために尽くす集団であり続けたいと考え、文化芸術、スポーツ等の地域に根差した社会貢献活動を幅広く実施してまいりました。このたびの再整備事業の趣旨に賛同し、文化芸術の発展を通じて、京都の更なる活性化にいささかなりとも貢献できるのであればとの思いから、ネーミングライツ契約により再整備事業を支援させていただくことといたしました。日本を代表する美術館として、また市民の芸術表現の場として、これまで以上に市民から愛される施設となることを期待しています。

KYOCERA

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