坂上田村麻呂 1934年
山崎朝雲 (1867-1954)
作品解説
甲冑に身を固め、左手で太刀を持って、右手の拳を握り締め、左足を踏み出して立つ武人。見開いた大きな瞳、立派な鼻に分厚い唇。豊かな口髭と顎鬚。いままさに戦場へと出立する威厳のある雄姿が、鎌倉以来の木彫の伝統を継承した彫技で捉えられている。
1934年(昭和9年)
木
99.5 × 43.0 × 23.0 cm
山崎朝雲 Yamazaki Choun
福岡市に生まれる。本名春吉、別号羯摩。仏師の高田又四郎に師事。第4回内国勧業博覧会で妙技三等賞を受賞して、宮内省の買上げとなる。上京して、高村光雲に入門。同門の平櫛田中、米原雲海らと日本彫刻会を結成。木彫に洋風彫塑の写実表現を導入した優れた技巧の作品を発表した。文展審査員、帝室技芸員、帝国芸術院会員を歴任。晩年は神像、仏像の制作に専念した。