中村鵬生《手織錦冬牡丹壁掛》

手織錦冬牡丹壁掛 1936年

中村鵬生 (1906-1959)

作品解説

雪を被った霜囲いの中であでやかに咲く冬牡丹。左右には防寒と養生を兼ねた菰巻の施された南国産の植物。背後には真っ赤な椿が見える。作者はこのユニークな霜除けの姿に関心を覚え題材とした。撚糸で多彩な色の階調を作りだし、つづれ織りで織りだしている。

1936年(昭和11年)
綴錦 絹 壁掛
180.0 × 285.0 cm

中村鵬生 Nakamura Hosei

京都市に生まれる。本名成之助。山鹿清華に師事して染織図案を学ぶ。1928(昭和3)年頃より染織作品の制作を始める。第11回帝展に師が創案した手織錦を冠した作品が初入選。以後、官展、日展で活躍。戦後は染織家団体、新樹会(しんじゅかい)を結成し代表となる。第6回日展で特選を受賞。草花や動物を主題にモダンな感覚の作品を発表する一方、花火大会や相撲など独自の主題において、卓抜な構想力を見せた。

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