入江波光《彼岸》

彼岸 1920年

入江波光 (1887-1948)

作品解説

山に囲まれる湖が見渡される。湖上に浮かぶ小舟には三人の天女が乗り、空にも天女たちが飛び交う。祭壇画を思わせる観音開きの画面形式が奥行き感を強め、黄味を帯びて沈んだ青緑主体の彩色と相まって、観る者は此岸から彼岸のイメージへと引き込まれる。

1920年(大正9年)
絹本着色 額
181.0 × 224.0 cm

入江波光 Irie Hako

京都市に生まれる。本名幾治郎。森本東閣に師事、京都市立美術工芸学校から同絵画専門学校に進み、絵画専門学校研究科修了後同校で古画模写に従事し教壇に立つ。大正期、国画創作協会第1回展一般出品国画賞受賞、第2回から同人参加。渡欧し古代・ルネサンス期イタリア絵画、特にフレスコ絵画に魅かれる。国展解散後後進指導と法隆寺金堂壁画模写を主にしながら、水墨画に自らの心境と熟技を示した。東西絵画の造詣に裏打ちされた詩情豊かな画業は珠玉の輝きを放つ。

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