太田聴雨《種痘》

種痘 1934年

太田聴雨 (1896-1958)

作品解説

女性の医療従事者が女性の皮膚にメスで切りこみを入れ、天然痘の予防接種である種痘を行っている。両者の表情には緊張が及ぶ。白い清潔な室内において、着物の紫と帯の緑の対照が映え、伝統的な矢絣柄はモダンな意匠にアレンジされている。

1934年(昭和9年)
紙本着色 額
199.5 × 119.0 cm

太田聴雨 Ota Chou

宮城県仙台市に生まれる。本名は栄吉。上京して内藤晴州に学び、新進画家の登龍門であった巽画会展に入選。研究団体青樹社結成に参加。その後、改めて前田青邨に師事。再興第17回院展に初入選し、日本美術院賞を受賞。戦後には東京芸術大学日本画科助教授に就任する。花鳥や歴史主題、現代風俗、肖像画と幅広い主題に取り組み、端正で洗練された画風を築いた。

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