北脇昇《眠られぬ夜のために》

眠られぬ夜のために 1937年

北脇昇 (1901-1951)

作品解説

青暗い闇の中に一筋の光が差し込み、幻想的な世界が広がっている。浮かび上がるホトケノザは、聖像に見立てられているようだ。静寂の中で光を受けて、緑色のつぼみからピンク色の花へと変化する様を、擬人化された木や石のオブジェが驚いたように見ている。

1937年(昭和12年)
油彩 キャンバス 額
130.0 × 162.0 cm

北脇昇 Kitawaki Noboru

名古屋市に生まれる。幼い頃京都に移り、鹿子木孟郎、後に津田青楓の洋画塾で学ぶ。第19回二科展に初入選。翌年、津田が治安維持法違反で検挙されて画塾が解散すると、塾生をまとめ独立美術京都研究所を開設。以降、新日本洋画協会、美術文化協会を結成するなど精力的に活動を広げる。独自のシュルレアリスム絵画を追求し、日本の前衛美術運動を推進した。

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