漁樵問答図 1900年
富岡鉄斎 (1836-1924)
作品解説
連山を見晴かす広遠な水景にいくつも舟が浮かぶ右隻と、対岸の山を望む左隻。岸辺には漁師や木樵たちの勤しむ姿、疲れをいやす姿が見られる。中国宋の文人の「漁樵問対」を画題に、人間を取り巻き、その生を支える自然の広大さが生き生きと表される。
1900年(明治33年)
紙本着色 屏風 六曲一双
各155.6 × 361.0 cm
上:左隻 下:右隻
富岡鉄斎 Tomioka Tessai
京都市中に法衣商の次男として生まれる。名は初め猷輔、後百練。南北合派を学び、大田垣蓮月の薫陶を受ける。幕末国事に奔走、長崎で清の文人とも交遊する。維新後大和、堺、京都で神官をつとめ、帰洛後京都市美術工芸学校で修身と考証学を教えた。京都美術協会、日本南画協会設立に参加。帝室技芸員、帝国美術院会員。自由自在の文人の境地を晩年まで追求した。