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京都市京セラ美術館(京都市美術館)の運営について
2022年11月25日
当館は、市民の皆様の御理解と御支援の下、昭和8年に全国で2番目の大規模公立美術館として開館以来、質の高いコレクションや展覧会の開催等により、市民の皆様をはじめ多くの方々の期待に応えながら、美術・文化振興に大きな役割を果たしてきました。
しかし、建物・設備の老朽化に加え、社会状況や美術を取り巻く状況の変化の中で、展示スペースの不足や、現代アートなど美術作品の多様化といった時代の変化への対応不足などの課題が生じたため、再整備(平成29年~令和元年)を行いました。
この再整備は、当館の伝統の継承にとどまらず、文化庁の京都移転も踏まえ、我が国を代表する文化芸術都市として、国内外の美術をめぐる今日の潮流や時代の変化等に対応し、新しいものを取り入れながら、国内はもとより世界に京都の文化芸術を発信し、牽引する、魅力ある美術館として未来につなげるために行ったものです。
(美術館の運営費について)
開館後約90年を経て、現代のニーズに合わせた必要な機能を備えるための再整備を行ったことで、主には施設規模が大きくなったこと等により、設備管理費等の運営費が大きく増加することになりました(延床面積増に伴う清掃、機械設備、来館者サービス等スタッフの増等)。
このことについて、安定的な経営となるよう更なる経費削減を求める市会付帯決議(令和2年3月)を頂いたことを踏まえ、事業の見直しや経費削減に取り組み、令和4年度予算で令和3年度決算から約1億円経費を削減するなど、削減努力を継続して行っています。
また、新たな運営体制により、「THEドラえもん展」(R3主催)、「モダン建築の京都」展(R3主催)、「アンディ・ウォーホル・キョウト」展(R4共催)など話題性や評価の高い展覧会の開催や現代アートの発信のほか、若手作家支援のためのチャリティ・オークションの実施やMICE利用の促進など、美術館の新たな価値創造にも取り組む等、様々な工夫や経営努力を進めています。その結果、令和2年度のリニューアルオープン後の来館者数は、コロナ禍等の中でも毎年度約1.5倍の増となるなど(令和4年9月時点)、多くの皆様に御来館いただいています(当館の収支比率(収入/運営経費):約70%、他の大規模公立美術館(6館)の平均:約20%(令和2年度))。
引き続き、更なる経費削減に努めながら、魅力ある展覧会の開催等による収入増加を図り、市民の皆様をはじめ多くの皆様に御理解いただき、市民の皆様の期待に応える美術館運営に努めてまいります。
京都市では、各施設の運営について市民の皆さまに分かりやすくお伝えする取組を行っています。当館につきましても運営状況の資料を作成しておりますので、館内に添付の資料を掲示しております。今後とも、施設運営の現状について「見える化」を進め、施設の状況に応じた収支改善の取組(維持管理コストの見直し、施設の目的を踏まえた稼働率の向上、受益者負担の適正化等)を進めてまいります。