KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2022
アーヴィング・ペン
Irving Penn: Works 1939–2007. Masterpieces from the MEP Collection
Presented by DIOR
From the collection of MEP, Paris (Maison Européenne de la Photographie) in collaboration with The Irving Penn Foundation
2022年4月9日-2022年5月8日
会場[ 別館 ]
-
Saul Steinberg in Nose Mask, New York, 1966
Gelatin-silver print toned in selenium
Purchased in 1992パリのMEP(ヨーロッパ写真美術館)が所蔵するアメリカ人写真家アーヴィング・ペン(1917〜2009)のコレクションは、欧州では最も重要かつ充実したペン作品のコレクションのひとつです。この特別なコレクションは、MEPとペン自身との間の長年にわたる親密な関係性の、そして作家の死後はその息子であるトム・ペンが運営を行っているアーヴィング・ペン財団との密接かつ貴重な協力関係の賜物ともいえます。
現在、MEPは100点以上のヴィンテージプリントを所蔵しており、そのうちの80点を展示する本展は、ペンの作品の豊かさや多様性だけでなく、そのプリントメーカー(現像技術者)としての驚異的な技術にも触れることができる貴重な機会となるでしょう。銀塩写真でも、プラチナパラジウムプリントでも、カラープリントでも、ペンの作品は写真史の中で非常に高く評価されています。
ペンは、静物写真から風景、ポートレート、ファッション写真に至るまで、あらゆるジャンルの作品をいとも簡単に、しかも最高のクオリティで生み出すことができる写真家といえます。KYOTOGRAPHIEとMEPは静物写真、風景写真、肖像写真、そしてファッション写真と全てを網羅し、日本とフランスのDIORの支援のもと、貴重な作品群を日本で初めて公開する運びとなりました。1930年代末のアメリカで撮影された最初期のドキュメンタリー作品から第二次世界大戦中の作品、そして鋭く胸に迫る晩年の静物写真まで、アーヴィング・ペンは常に最高のクオリティの写真を追求し続けました。依頼を受けて撮影した商業的な写真の技巧においても、個人的な作品の芸術的な表現性においても、等しく高い評価を受けているという点で、ペンに比肩する写真家は存在しないでしょう。タバコの吸殻やチューインガムまでをも被写体とした、一見シンプルに見える静物写真でも、美しく洗練されたファッション写真や有名人のポートレートでも、その高いクオリティには全く差がありません。全ての被写体が完璧な場所に置かれ、芸術性をまとって写し出されています。そこには、ペンが人生を通じて会得した観察眼、思考、構成力、そして完璧なプリント技術のすべてが注ぎ込まれています。
[本展キュレーター サイモン・ベーカー(ヨーロッパ写真美術館館長)展覧会紹介文より抜粋]
Saul Steinberg in Nose Mask, New York, 1966
Gelatin-silver print toned in selenium
Purchased in 1992基本情報
- 会期
- 2022年4月9日(土)〜5月8日(日)
- 時間
- 10:00〜17:30(最終入場は17:00まで)
- 会場
- 別館
- 休館日
- 月曜日
※祝日の場合は開館。5月2日(月)は開館
- 観覧料
- 一般 1,500円
学生 1,200円
京都市京セラ美術館メンバーシップ 1,300円
※学生料金は高校生以上が対象(要学生証提示)。中学生以下は無料。
※障害者手帳等をご提示の方は本人及び介護者1名無料。確認できるものをご持参ください。
アーヴィング・ペン Irving Penn
1917年アメリカ生まれ。1934年にフィラデルフィア工芸美術館学校に入学、アレクセイ・ブロドヴィッチにデザインを学ぶ。メキシコで1年間絵を描いて過ごした後ニューヨークに戻り、アレキサンダー・リーバーマンがアートディレクターを務めていた『VOGUE』で1943年より従事する。その後70年近くにわたり、各国の『VOGUE』誌面や広告を中心として数々の写真作品を撮り続けた。革新的なファッションイメージ、印象的なポートレート、魅力的な静物など、ペンの写真はいずれも彼のトレードマークとも言えるエレガントかつシンプルなスタイルを兼ね備えている。ペンはエディトリアルや広告の作品そのものに加え、卓越した印刷技術を持つことでも名を馳せていた。1964年以降、19世紀の版画技法であるプラチナ・パラジウム・プリントに20世紀の素材を用いた複雑な技法を開発した。1984年にはニューヨーク近代美術館で初めての回顧展が開催され、その後14カ国以上に巡回した。その後ペンは本格的に絵画やドローイングを再開した。その後も彼の革新的な写真作品が『VOGUE』誌等で発表され、コミッションワークやペン自身の実験的な作品の制作を2009年に逝去するまで精力的に続けた。近年の展覧会に、「Irving Penn: Beyond Beauty」(スミソニアン・アメリカ美術館 ワシントンD.C. 2015–16)、「Irving Penn: Centennial」(メトロポリタン美術館 ニューヨーク 2017)などがある。
- 主催:一般社団法人KYOTOGRAPHIE
- 共催:京都市
-
Saul Steinberg in Nose Mask, New York, 1966 Gelatin-silver print toned in selenium
Purchased in 1992Picasso (1 of 6), Cannes, 1957 Gelatin silver print
Purchased in 1992Christian Dior, New York, 1947 Gelatin silver print
Purchased in 1992Balenciaga Mantle Coat (Lisa Fonssagrives-Penn), Paris, 1950 Platinum print
Purchased in 1992