広寒宮 1907年
西山翠嶂 (1879-1958)
作品解説
月世界にあるという伝説の広寒宮で舞い踊る美しき天女たち。右隻では龍笛を持った天女を先頭に、笙や篳篥を吹き鳴らし琵琶や箜篌を爪弾きながら静々と歩みを進め、左隻では木にもたれて座る天女の古琴に合わせて、二人が優雅に舞っている。
1907年(明治40年)
絹本着色 屏風 六曲一双
各167.0 × 378.0 cm
上:左隻 下:右隻
西山翠嶂 Nishiyama Suisho
京都市に生まれる。本名卯三郎。竹内栖鳳に入門、京都市立美術工芸学校でも学ぶ。第1回文展を皮切りに受賞を重ね、西村五雲、井口華秋とともに栖鳳門下の三羽烏と呼ばれた。帝展、新文展の審査員、帝国美術院会員、帝室技芸員を歴任。画塾青甲社を主宰して、数多くの精鋭を輩出した。師風を継承した写実的な画風と幅広い作域を誇り、京都画壇の重鎮となった。1957(昭和32)年、文化勲章を受章。