田村宗立《官女弾琴図》

官女弾琴図 1897年頃

田村宗立 (1846-1918)

作品解説

真剣な表情で筝(琴)を奏でる美しき官女。桜花と紅葉の文様の入った紫地の打掛に前結びの朱帯。弦を弾く右手と弦を押さえる左手のしなやかな指の美しさ。背後には円山派の藤屏風があり、白い房飾りの付いた黒漆の調度品が並んでいる。

1897年頃(明治30年頃)
油彩 キャンバス 額
56.7 × 88.5 cm

田村宗立 Tamura Soryu

京都府南丹市に生まれる。幼い頃に六角堂の雛僧となり仏画を学ぶ。写真の陰影法を独学で研究するとともに、横浜のチャールズ・ワーグマンに師事して洋画を学ぶ。第1回内国勧業博覧会に出品、褒状を得るなど、京都博覧会や新古美術品展で活躍。京都府画学校の西宗画の教員として後進を育成。京都洋画の先駆者として、関西美術会、関西美術院の創設に参画する。晩年は「月樵」号で専ら日本画を制作した。

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