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井田照一《天使のキャンペーン》1969年 京都市美術館蔵 コレクションルームでは、竹内栖鳳、上村松園など京都を代表する人気の名作紹介に加え、テーマ特集展示を通じて、京都を基軸とした近代から現代の美術の面白さをたっぷりと体感していただきます。
井田照一(1941–2006)は、版画という表現形式の可能性を根底から問い直した、日本を代表する版画家・現代美術家です。
京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)美術専攻科修了後、パリやニューヨークでの経験を経て、京都を拠点に国際的な活動を展開しました。紙や布、陶など異素材を用い、「Surface is the Between/表面は間(あいだ)である」という理念のもと、物質とイメージ、内と外が交錯する表面を関係性の生成する場として捉え直しました。
2026年の没後20年を記念する本展では、井田の版画作品に加え、「表面=あいだ」の思考を立体へと拡張した作品群も紹介します。本展は、特集のほか下記の3つのテーマで開催します。
・没後20年 清水九兵衞/七代清水六兵衞
・春の名品―うつろう新緑
・木下佳通代―色彩と時間■無料観覧日について
5月17日(日)は「国際博物館の日」にあわせて無料観覧日となります。
井田照一《天使のキャンペーン》1969年 京都市美術館蔵 基本情報
- 会期
- 2026年3月20日(金・祝)〜6月21日(日)
*5月17日(日)は「国際博物館の日」にあわせて無料観覧日となります。 - 時間
- 10:00~18:00(最終入場は17:30まで)
- 会場
- 本館 南回廊1階
- 休館日
- 月曜日(ただし、5/4は開館)
- 観覧料
一般
京都市内在住の方:520円
京都市外在住の方:730円
団体(20名以上):620円小中高生等
京都市内在住(通学)の方:無料
京都市外在住の方:300円
団体(20名以上):200円
小学生未満無料※ 京都市在住の方は住所がわかるものをご提示ください。
※ 京都市在住の70歳以上の方(身分証をご提示ください)、障害者手帳等を提示の方およびその介護者1名は無料です。
※ 京都市キャンパス文化パートナーズ制度に登録している学生で会員証・学生証を提示の方は観覧料100円です。登録はこちら●コレクションルーム 公式オンラインチケット
会期中であればいつでもご観覧いただけるチケットです。チケットカウンターに寄らずスムーズにご入場いただけます。
異なる会期のコレクションルームでは使用できませんので、ご注意ください。●3館連携割引
京都国立近代美術館、細見美術館で開催される対象展覧会の当日分有料観覧券(半券可)等をお持ちの方は、100円引き(団体料金除く、他割引併用不可)でチケットを購入いただけます。●音声ガイド
コレクションルーム春期では、音声ガイドの貸出は行っておりません。
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特集展示「没後20年 井田照一」

井田照一《Surface is the Between – Between Vertical and Horizon – “Stone and Paper” (Sculpture) 》1976年 本年2026年は井田照一(1941-2006)の没後20年にあたる節目の年です。
当館では、2011年に450点余りの井田の作品・資料の寄贈を受け、豊富なコレクションを所蔵しています。
本展示では、初期作品とその後フランス美術やアメリカ美術の影響を受けた空間表現の萌芽期の作品を紹介。さらに、井田の生涯を通じたコンセプトの核となる「Surface is the Between」シリーズ、1970年代以降に展開された、井田の空間意識を象徴する重要なシリーズ「Garden Project」などを中心に85点の作品を展覧します。
井田照一《Surface is the Between – Between Vertical and Horizon – “Stone and Paper” (Sculpture) 》1976年 没後20年 清水九兵衞/七代清水六兵衞

清水九兵衞《朱態》1988年 京都市美術館蔵 清水九兵衞/七代清水六兵衞(1922-2006)は、彫刻では主に九兵衞として、陶芸では七代六兵衞などの名で活動した作家です。
1951年、京焼の名家・清水六兵衞家の養嗣子となった清水は、それまでの京焼ではなじみのない肉厚な素地やその歪みを取り入れた実験的な陶芸作品を発表し、高い評価を得ました。その一方で、もともと彫刻家を目指していた清水は、「九兵衞」名義で金属を用いて、構造・空間・素材の親和性(アフィニティ)を追求する彫刻家として世界的に活躍しました。
本展示では、清水洋の名で制作した初期作品とともに、1980年代以降の九兵衞/七代六兵衞の様々な作品を紹介します。
清水九兵衞《朱態》1988年 京都市美術館蔵 春の名品―うつろう新緑

梶原緋佐子《いでゆの雨》1931年 京都市美術館蔵 目まぐるしくうつり変わる春から初夏にかけての、緑豊かな情景を描いた作品を紹介します。
霜の降りた朝の大地と、桜咲く麗らかな夕空が対照的に描いた菊池芳文《春の夕・霜の朝》。芳文の後継者・菊池契月が稲の苗を持つ女性を伸びやかな墨の筆線で描いた《早苗》。契月の画塾で学んだ梶原緋佐子の《いでゆの雨》は梅雨を思わせます。
そのほか、日本洋画界の先駆者のひとりである浅井忠の作品とともに、浅井に師事した黒田重太郎、田中善之助、長谷川良雄、京都で活躍した太田喜二郎の作品を展示します。
梶原緋佐子《いでゆの雨》1931年 京都市美術館蔵 木下佳通代―色彩と時間

木下佳通代《LA ’92-CA715》1992年 京都市美術館蔵 木下佳通代(1939-1994)は、1939年神戸に生まれ、関西を拠点に活動した女性アーティストです。1970年代には写真製版によるシルクスクリーンの技法を用いた、緊張感のある画面構成の作品で独自の表現を切り拓きました。しかし1980年代以降、制作の軸足は次第に油彩画へと移り、晩年は再び「描くこと」そのものに向き合う仕事へと深化していきます。
本展示では、1970年代のコンセプチュアルな写真作品と晩年の油彩画作品に焦点をあて、写真作品に見られる構造への鋭いまなざしと、油彩画における色彩と時間の堆積を通して、木下が生涯をかけて探究した思索的な表現の軌跡をたどります。
木下佳通代《LA ’92-CA715》1992年 京都市美術館蔵 -
井田照一《天使のキャンペーン》1969年 京都市美術館蔵
井田照一《Series – Shelf – Still Life “Distance of Encounter – Echo – 323”》制作年不明 京都市美術館蔵
井田照一《Surface is the Between-Between Vertical and Horizon-"The Between No.12-Floor, Paper and Wood”》1977年 京都市美術館蔵
井田照一《Surface is the Between – Between Vertical and Horizon – “Stone and Paper” (Sculpture) 》1976年 京都市美術館蔵
井田照一《Garden Project – Locus Sutra – Level for Stones – Gravity No.30》1986 京都市美術館蔵 -
所蔵品をモチーフにした生菓子も

2024年冬のコレクションルームにあわせた 「京菓子司 金谷正廣」のコラボ和菓子。 ミュージアムカフェ ENFUSEでは、安政3年創業「京菓子司 金谷正廣」による所蔵品をモチーフにした生菓子(展示にあわせて年2種)を提供し店内で召し上がっていただけます。

2024年冬のコレクションルームにあわせた 「京菓子司 金谷正廣」のコラボ和菓子。 キュレーターズトーク動画の公開

2023年に京都市美術館開館90周年を記念して、学芸員による所蔵作品の解説動画シリーズ「キュレーターズトーク」を公開しました。
当館が所蔵する約4,500点(2025年3月現在)の日本画、洋画、彫刻、工芸品等の中から選りすぐりの36作品を取り上げ、作品の細部にまで迫る映像とともに当館学芸員が作品の見どころ等をじっくり解説しています。公式Youtubeチャンネルからご覧ください。

京都市美術館名品百選

1933年、公立の美術館として全国で2番目に設立された、歴史のある京都市美術館。日本の近代美術を代表する日本画を中心に、洋画、工芸、版画、彫刻、書まで 美術の各分野を網羅する所蔵品は約4,500点を数える(2025年3月現在)。本著では、収蔵品の中から珠玉の100点を厳選して掲載。京都画壇を代表する竹内栖鳳や、美人画で知られる上村松園の作品など。
発行年 2020年3月
発行元 光村推古書院
販売価格 1,200円+税
編者 京都市美術館
体裁 A5変
*アート レクタングル 京都にてオンラインでも購入可能。

